『明治侠客伝 三代目襲名』

★★★☆☆
鶴田浩二藤純子嵐寛寿郎藤山寛美津川雅彦丹波哲郎と役者がズラリ揃い、迫力ある或いは美しい画が満載(冒頭のお祭りや夕闇迫る橋のシーンなど絶品)。しかしお話としては平均点レベルで、これを「任侠映画史上に残る傑作!」とまでは思えず。いや大した数こなして無い人間がアーダコーダ言うのも何ですが(でも言う)。
今イチ乗りきれないのは「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び…」の「堪える部分」が不足している為でしょうか。もっともっと、徹底的に追い込まれるべきではないかと。その上で初めて「やりたかねえんだよ、やりたかねえんだけどよお」と爆発する姿に拍手を送ることが出来るのではないかと。
勿論、良い場面は幾つもあって、例えば三代目決定の際。甘えたこと抜かすボンクラ息子・津川雅彦鶴田浩二がビンタの雨アラレ。一転して「ボンはカタギになりなはれ」と優しく諭す。汚れちまったヤクザの哀しみは、あっしが引き受けまさあ。かかかか、かーこいー(単純)