2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『座頭市』

★★★☆☆ 以下、ネタバレ。

『世界は密室でできている。』 舞城王太郎

★★★☆☆ きっと血みどろ残虐バイオレンスや口ポカーンなメタメタ落ちがあるんやろう、酷い目に遭うんやぞ!と身構えて読んだのですが。意外や意外、オトコノコ・オンナノコが悩んでブツかって大きくなる真っ当な(人はバリバリ死ぬのですが)成長物語に仕上が…

『海の天辺』#1〜4 くらもちふさこ

★★★☆☆ 中学生の女の子が理科の教師にスキスキスー、アタックあたっくアタタックを繰り返すお話。 以下、ネタバレ。

『高い城の男』 フィリップ・K・ディック

★★★☆☆ 第二次大戦で枢軸国側が勝利し、日本とナチス・ドイツが覇を競う「もしも」の世界。敗戦国のアメリカ人の皆さんが内心は忸怩たるものを抱えながらも、戦勝国の日本人にヘーコラと媚びへつらう描写はたいへん悦楽至極で、いいぞもっとやれと思います。…

『ハチミツとクローバー』#6 羽海野チカ

★★★★☆ クールなプレイボーイ(死語)のイメージだった野宮が急速に気遣いや人情味を見せ始め、これはもう言うまでもなく山田さんとくっつけるための布石、と頭では理解しながらも心は受け入れ難く、「うわーそんなカップリングは嫌だー山田さんはもっと素敵…

『総統の子ら』 皆川博子

★★★☆☆ ナチス・ドイツの最高エリート養成機関、ナポラ。祖国への愛と理想に燃え、此処に集った少年たちの物語。厳しくも充実した訓練生活の中、芽生える対立、友情、そして同性同士の秘め事…。叙情的な雰囲気は開戦から一転、凄惨な戦闘描写がこれでもかと続…

『Kiss+πr2』 くらもちふさこ

★★★☆☆ 突然に転がり込んできた幸運による人間関係の変化、ささやかな交感、すれ違い―地味だけれど繊細で丁寧な筆致。ただ、気になったのがファミコン好きな眼鏡のオタク君に対する扱い。主人公は彼を「いいやつ」と呼ぶのですが、それは好感ではなく、「人畜…

『デイ・アフター・トゥモロー』

★★☆☆☆ だからあれほどヤメようって言ったのに…。 以下、ネタバレ。

『ホットロード』#1〜2 紡木たく

★★☆☆☆ あたし和希、14歳。気に入らないもの、家族とか学校とか。ハルヤマ?あいつは"Nights"って暴走族の頭。すっげー性格悪くて、カチンと来ることばっか言ってきて。でも凄く寂しそうな顔をする時があって。目を離すと、どっか遠くへ行っちゃうんじゃない…

『戦略拠点32098 楽園』 長谷敏司

★★☆☆☆ SFマガジンに掲載された短編『地には豊穣』がたいへん素晴らしく、デビュー作はどうなんだろうと期待を胸に手に取ってみたのですが。過度に感傷的で、何より地の文で登場人物の心情を語り過ぎな気がいたします。「戦うことしか知らない兵士とアルジャ…