『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』

機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-【劇場版】 [DVD]
★★☆☆☆
2007年の今、なぜなにナデシコ。それと言うのもアニメ雀鬼の友人(id:bluefield)が「レイアウトアニメとしては『東京ゴッドファーザーズ』より良く出来ており、『パトレイバー2』に匹敵する映画として成立している」と熱っぽくゴーストシャウトしていたからです。ならば見せてもらおうか…劇場版ナデシコの性能とやらを!という訳で見ました。
以下、ネタバレ。
ショカーの改造手術により肉体に変調をきたした主人公。本人の知らぬまま囚われの身となり精神的凌辱を受け続けるヒロイン。スチャラカなTVシリーズに比して、この劇場版には陰惨な設定が付け足されています。これスチャラカなTVシリーズ自身と、それをエモとして受容した消費者に対する批評(要は嫌がらせ)と見ることも出来ると思います。物語も「独立愚連隊の再結成だ!」というフォーマットをなぞりながら、彼らが華々しく活躍する機会は用意されていません。最後はハッキングで一方的に決着がついてしまいます。
上映当時、この映画が大多数の観客にとってどのように受け止められたのかは知りません。しかし少なくともわたくしは、斯様に敢えて定型を外した作品よりも、商品としてサービスに徹したもの、例えば劇場版『逮捕しちゃうぞ』などの方が遙かに健全で好ましく感じられます。もう少し正直に申し上げるならば、何がやりたいんだコラ!角川アニメ祭り飾ってコラ!ビューティフル・ドリーマーやりたいのか、オンリー・ユーやりたいのかどっちなんだ!どっちなんだコラ!ビューティフル・ドリーマーやりたいんやったら思い切りやればええねん。ナンボでも受け止めるさかい。それが無理なら精一杯オンリー・ユーせいよと。そう思った次第です。