『クリプトノミコン』#1〜4 ニール・スティーヴンスン

クリプトノミコン〈1〉チューリング (ハヤカワ文庫SF)
★★★☆☆
SFとも歴史ミステリとも冒険小説ともつかぬ、何でもアリの闇鍋ごった煮ジャンク・フィクション。無闇やたらと詰め込まれた蘊蓄、小ネタ、ギャグ、バカ話がとにかく楽しくて。例えば暗号解読の精度と射精回数の関係を数式やらグラフを用いて延々と大マジメに解説してみたり、饒舌文体によるシリアルの正しい食べ方講座(曰く「牛乳にひたったぐしょぐしょの状態は素人の証拠、からからに乾いたシリアルと極低温の牛乳の接触時間は最小限に抑えつつ口に運びたい」云々)があったり、マニラの刑務所では『ランボー』が大人気で、特にスタ公が銃創を火薬で消毒する場面の話をすると皆がウットリとするとか。問題は、こうした脱線の方が本筋より面白いことでしょうか。あれ?