『モンスター』
★★★☆☆
「心暖まらない実録人間ドラマ」の王道を行くクソ真面目な内容で、見終わった後は口数も少なく。だから嫌だったのに…誰だよこんな映画行こうって言ったの。
劇中の二人は「愛し愛され手にテヲトリアッテ地獄の逃避行」てな蜜月のカップルではなく、すれ違いや一方通行の関係。*1また「彼女がモンスターなのではない、彼女を追い詰めた社会がモンスターなのだ!」という類の告発方向へ向かうわけでもなく。「逃げ場」や「責任者」が存在しないので、遣り切れなさも後味の苦さも倍増です。
シャーリーズ・セロンは文字通り体当たりの、何もそこまでな大熱演。「美人女優が賞目当てにデニーロ・アプローチでっしゃろ?」と偏見バリバリなひと(要するにおれ)は認識改めるべきと思いました。
*1:JOURNEYのDon't Stop Believin'をBGMに、スケート場で互いを求めあう…心が通い合った(ように思える)のはこの場面ぐらいだった気がします。