『ハウルの動く城』

ハウルの動く城 特別収録版 1/24second付き [DVD]
★★★☆☆
ロリコンの御大が90歳の婆様をヒロインに据え、しかも(この時期に)戦争という題材を扱う。「こりゃ相当の気合が入ってるぜ」と期待したものの。
キムタクの「美しくなければ生きている意味がない…」という台詞から「美醜・モテ非モテ問題」に向かうのかと思えば、そういうワケでもない。「戦争」と言っても直接の人死には一切描かれず、ゆるゆるな解決法でメデタシメデタシ。空中散歩やハウルの過去を垣間見るシーンなど興奮は覚えるものの、それは物語とは関係ないビジュアル単位の興奮なわけで。決して退屈したわけではなく、それなりに楽しめたのですが、何だか肩透かしと言うのが正直なところです。
例えばこういう展開ならどうでしょう。
変身機能の使い過ぎにより、元の姿に戻れなくなってしまうハウル。それでも周囲の制止を振り切り、戦争を止めるため出撃してゆく。哀れ討ち死に、その亡骸はドラム缶で火葬に。愛する人を失ったソフィは呪いが解けず、婆様のフォルムのまま生きていかざるをえない。一時は嘆き悲しんだものの、仲間に励まされ、やがてソフィは元の快活さを取り戻す。「落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です」そして彼女は後に、ドーラ一家と呼ばれる海賊の首領として活躍するのであった。おわり。
…すみませんすみません、言ってみたかっただけです。