『座頭市 血煙り街道』

座頭市血煙り街道 [DVD]
★★★★☆
以下、ネタバレ。
刀を逆手に独楽のようにくるりくるりと回転し、歯向かう敵を斬り伏せる。座頭市の殺陣には通常のチャンバラとは異なる動き、リズムがあり、それが何とも言えぬ快感のツボを刺激します。前座の雑魚とのバトルを終えた後はお待ちかね、市と同等の技量を持つライバル(=近衛十四郎)とのタイマン勝負が用意されています。この場面、先ほどまでピーカンだったハズが唐突に雪が降り始めます。季節感も何も出鱈目。単にハラハラと雪が舞う中で白刃が閃く、そういう画が撮りたかっただけやろう!と思いますが、観客であるコチラも望むところなのでノー問題です。またここで繰り広げられる殺陣が掛け値なしに凄まじい。本作は人情話が中心で活劇シーンは少なめですが、その鬱憤を晴らすどころかお釣りが来る程の攻防です。
それだけに対決が手打ちで終わるのは些か拍子抜け。ここはやはりズブリと一刺しにして頂きたかった。技量を認め、少なからず好感を抱いていた相手を己が手で殺める。それでこそラスト、自ら孤独の道を選ぶ市の哀感*1もいや増すというものではないでしょうか。

*1:まーこれ初代とまるっきり同じ構図なんですが。