『オーシャンズ12』

オーシャンズ 12 特別版 (初回限定 BOX仕様) [DVD]
★★★★☆
あたし、観る前はそんな期待してなかったんです。ただ二時間、退屈せずに過ごせればそれでいいと思って。でもこの映画ったら、予想よりずっと楽しかったんです。
断っておくと、お話はグダグダなんです。宝石強奪競争のオチなんて、ドンデン返しと言うよりは卓袱台返しと呼びたくなっちゃいます。でも見てる間はそれが全然気にならなかったんです。華やかなスタアの皆さんが揃いも揃ってしょーもないコントみたいな遣り取りを繰り広げる、無駄に豪奢でユルーいノリが気持ちよくって。
ジョージ・クルーニーもいいけれど、それ以上にブラッド・ピットに目を奪われちゃったんです。坊主頭にグラサンで銀のテカテカ光るスーツ。ふつうの人だったらこんな格好、下品なヤクザ者にしか見えないのに、彼ったら十二分にサマになってるんです。警察に追われながらキャサリン・ゼタ・ジョーンズに笑顔を振り撒くところなんて、「気障過ぎ!」と思いながらもあたし、ジュンとなって濡れちゃったんです。
小粒役を嬉々として演じるマット・デイモンも良かったです。飛行機の中で、自分が「出来る男」だってことを拙くアピールした挙句、親指立ててグーサイン。あたし、爆笑しちゃったんです。
ストレスなく見ることが出来て、見終わると何も残らない。こういうの、娯楽作品として正しく理想的な姿だと思うんです。あたし、ソダーバーグさんはずっとこんな映画ばかり作って欲しいです。