『F.E.A.R.』

F.E.A.R. 日本語版
FPS meets ホラーという一風変わった売り文句のゲーム。FPSとして特筆すべきは敵の行動パターンの豊富さで、例えば机を倒して防壁にしたり、逆に障害物をジャンプして一気に距離を詰めて攻撃したりと実にスリリング。ただ問題はプレイヤーが「いつでもどこでも」時間の進行を停滞させる、要するにスローモーション機能を持っていること。この能力のせいで折角の緊張感溢れる銃撃戦がスポイルされているばかりか、固い敵に相対した時などプチプチと目標をクリックするだけの単調作業と化してしまっているのです。この手のバレットタイムの元祖(ってことでいいのかしら?)に『MAX PAYNE』がありますが、あれはスローモーションで敵を倒すことよりも、ジョン・ウー映画よろしく横っ飛びしながら敵を撃つ主人公を三人称視点で鑑賞することが目的だったわけで。
「ホラー」の部分は「暗闇で人影がチラっと覗く」とか「突然天井から○○が降って来る」とかベタなショッカー演出で、今時こんなの映画でやられたら噴飯ものですが、没入度の高いゲームとなると話は別で、正直なところ夜中にプレイしていた時などチビりそうになる瞬間が何度かありました。いやいや、本当はんなことないですよ。チビってないですよ。オレをチビらせたら大したもんですよ。ああ。