『マリア様がみてる レイニーブルー』 今野緒雪

マリア様がみてる 10 レイニーブルー (コバルト文庫)
★★★☆☆
評判になるだけあって、この10巻は確かに面白かったです。時間軸を少しずつズラしながら三組の姉妹の危機が綴られ、メインとなる祥子×祐巳カップルには破局の危機が訪れる。どうするどうなる以下次号!
以下、ネタバレ。
しかし肝心の解決編である11巻が頂けません。毎度の「お姉さまが冷たく振舞っていたのは理由があった」パターンでまたその理由が「早い段階で当事者同士がキチンと話し合っておけば、事件は防げたのでは…」という類のもの。これでは折角の萌えあがった心も静まってしまうというものです。
後の「避暑地で旧家のお嬢様達に陰湿なイジメを受ける」往年の大映ドラマばりの展開や、まるまる一冊使って体育祭に興じるお話など読みますと、10巻の冴えは偶然の産物だったのかしらん…。