『11人いる!』 萩尾望都

11人いる! (小学館文庫)
★★★★☆
その昔、出崎哲監督による映画版を見て手に汗握ったものですが、オチを知った今に原作の漫画を読んでも余り楽しめないのでは…と思っていたのですが。どーしてどーして、やっぱりたいへん面白い。
以下、ネタバレ。
「エリート大学の最終選考は、受験者10人でサバイバル生活を送ることだった。しかし試験場には11人のメンバーが…」この掴みからしてOKであり、謎や危機(主人公の記憶、封印された武器、恒星への衝突、伝染病etc)がキチンと論理的に解明・解決されていくのが気持ちよいです。そして何よりヒロイン(?)フロルの魅力。雌雄同体の種族で、美少年であり同時に美少女でもあり、という一部のひと(おれだおれ)にはストライクな設定。同巻収録の続編ではこの特性は失われ、単なる男言葉の美少女に落ち着いてしまうのが残念です。どっちつかずの揺らぎこそがですね、萌えを呼び起こすわけであり(以下略)