『はだしのゲン』#1〜10 中沢啓治

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻
★★★★☆
オース、メース、サース。まとめて一気読みしてやったわい。1〜7巻までは怒りあり涙あり笑いありで(時折、ドン引きするぐらい陰惨な、ザ・ダークネスなお話もありますが)大いに楽しめたのですが、以降は蛇足の感がアリアリ。
以下、ネタバレ。
台詞など急激に説教(と言うか日教組)臭くなって、それまで生き生きと活躍してきたキャラクターが、テーマに奉仕する道具と化していくようで哀しいものがありました。ゲンもマジメになり過ぎ。ムゲチン、ムゲチン言うてた頃の野放図さを取り戻して頂きたい。そんな中、最後までアホキャラを貫く隆太は最高です。友人、ムスビの仇を取ったる!と拳銃片手に殴り込みを敢行した際の台詞、

「おどれもヤクザなら往生ぎわをようせえや。ヤクザは命のやりとりが仕事じゃ。死ぬることは覚悟しとるんじゃろうが…」

きみ、いくつやねんと。