『リプレイ』 ケン・グリムウッド

リプレイ (新潮文庫)
★★★☆☆
もしも人生をやり直すことが出来たなら―。
以下、ネタバレ。
生まれ変わった当初はギャンブルや株で大儲けしたり、美人のねーちゃんを射止めて享楽的生活を謳歌したりと、一種の願望充足ものとして読める*1のですが。"リプレイ"を繰り返す度にお話はクソ真面目な方向に傾き、最終的には「ただ一度きりの人生を大切に生きよう!」というテーゼが掲げられます。これSFやファンタジーと言うよりも、教訓つきロマンスものという印象。別段それが悪いとは言いませんが、どの人生でも主人公はモテ過ぎだチクショウとは思いました。いやマジメな話、精神を病み殺人を繰り返すもう一人の"リプレイヤー"の存在など(一過性の悪役としてではなく)もっと掘り下げて描くべきではないかと。

*1:誤読です。