『神の火(上・下)』 高村薫

神の火(上) (新潮文庫)
★★★☆☆
ダンディなおじさま、ヤクザなアニキ、病気がちな美少年、と各種取り揃えて全方位対応の謀略やおい小説。
以下、ネタバレ。
緻密な、と言うよりもほとんど偏執的な書き込みに(それは例えば主題となる原発の話に限らず、枝葉末節であるはずの主人公が働く書店での細々とした業務にまで及び)些か疲弊感を覚えるも、9回裏に待ち受けていた『パピヨン』のマックイーンとホフマンもビックリな別離のシーンに悶絶。頑張って読んだ甲斐があったというものです。ありがとう、ありがとう。カリンカカリンカ、ズンチャッチャ。