『カンフーハッスル』

カンフーハッスル コレクターズ・エディション [DVD]
★★★★☆
あけましておめでとうございます。
以下、ネタバレ。
アパートに潜む三人の格闘家や大家のオッチャン、オバチャンなど、くたびれた面構えの彼・彼女がどんな美男美女よりも凛々しく映える瞬間が幾度もあって、正にこういうものを目撃するために映画を見ているのだ、これに比べればダコタ・ファニングの水着姿がもたらす幸福感さえちっぽけなものに過ぎないと、無闇に大声で言って回りたくもなるのです。
少年期の回想シーンで、少女を助けようとするも果たせず、イジメっ子たちにボコられ、トドメにジョロリジョローリと小便まで浴びせ掛けられる辺りの徹底振り、容赦のなさも圧倒的に素晴らしく、これを「下品だ」とか「イジメを助長する」などと言う向きには断固抵抗していきたい。
マジメな話、こういう所を手抜きしないからこそ(大枠はユルユルでも)個々のキャラクターに魅力と物語を感じられ、群がる大勢をブルース・リーよろしくブチのめすクライマックスに「監督・主演であんた遣りたい放題でんなー」と突っ込むどころか、今までの溜飲を下げ拍手喝采で迎えることが出来るのです。
ラストも良いです。英雄になるわけでもなく、市井の人として飴ちゃんを売り、そしてあの時の少女と今度こそ笑顔で手を取り合う。またこの少女の設定が効いていて、一部のひとのツボを押すこと間違いなし。改めてチャウ・シンチーは上手いなあと感服いたしました。(え、そこなの?)