『シグルイ』#1〜5 山口貴由

シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)
★★★★★
面白過ぎる、面白過ぎるぜえええええええ!四肢が切り飛び腸が噴き出る剣劇がエクストリームなら、登場人物もエクストリーム。主人公の藤木源之助はクソ真面目な朴念仁かと見えて、只管に強さを追い求め己の「痛み」や「弱さ」を拒絶する言わば求道ロボ。対する伊良子清玄は美貌の裏にドス黒い野望を秘め、成り上がるためには許婚だろうが母親だろうが踏み台にするBIG tomorrow感溢れるにくいやつ。師匠である虎眼先生に至っては、口を開けば「種ぇー」とか「いくぅー」とかアレな台詞ばかり発する半分以上キチガイにして、ひとたび剣を握れば一瞬で六人の首を両断する超絶ムテキング。およそ「正義のひと」どころか、まともな感性の人間が唯一人として登場しない辺りが最高で、斯様な濃すぎるキャラクターの情念がドロドロと渦巻き衝突する物語はまさに究極にして至高の煮凝りスープ!飲めば飲むほど喉が渇く、渇くぜえええええええ!というわけで早く次巻が読みたいですわーと思いました。