『トップをねらえ2!』#5

トップをねらえ2! (5) [DVD]
★★★☆☆
以下、4巻までのネタバレあります。
巨大ロボ、バスターマシンを縦横無尽に操り、宇宙怪獣を撃退するトップレスと呼ばれる子供たち。お話の当初こそ全知全能の選ばれし神の子と見えた彼・彼女たちですが、巻が進むにつれ様相を異にしていきます。トップレスは一定の年齢を過ぎると「あがり」と呼ばれる能力の喪失を迎え、神童からタダノヒトに変わってしまうことが明らかになるからです。この落差を強調するために、物語の前半ではニコラ(岩田光央)を筆頭にトップレスは必要以上に倣岸不遜な、自らの全能感に酔いしれ、無力な大人を嘲う存在として描かれていたわけです。
『トップ2』にはこのような「裏切り」、観客の先入観を利用することで後の驚きを誘う仕掛けが幾つも用意されています。もしこの作品を外見から「ただの萌えアニメなんでっしゃろー」と思っている方がいれば、それは半分正しいけれど半分間違ってますよ、と言いたくなります。『トップ2』はですねえ、「ただの萌えアニメ」ではなく「素晴らしく良く出来た萌えアニメ」なんですよ!
ただ正直言うと、この5巻は(1〜4巻に比べると)些か先を急ぎ過ぎで、面白そうな設定やエピソードが次々と駆け足で消化されていく感があります。例えばノノ(福井裕佳梨)とラルク坂本真綾さま)の不和など、もっと長い時間をかけて描くべきで、且つ長い時間をかけることで、より美味しく頂ける食材だったのではないかと。そりゃあ全6巻のOVAなわけですから、余りチンタラやっているわけにもいかないわけですが。本音の本音を言うと、このシリーズがあとたった1巻で終わってしまうこと自体が勿体なく感じられて、要は「もっともっとおりを楽しませくれよう!」と思ってしまったわけです。(←あがりの拒絶)