『ファーザーランド』 ロバート・ハリス

ファーザーランド (文春文庫)
★★★★☆
以下、ネタバレ。
ナチスが第二次大戦で勝利し、ヨーロッパ全域を制圧していたら…」というifの世界で進行するサスペンス。やがて明らかになる真相が、作品内では重大事でも、読者にとっては既知の事柄でそれほど驚きを感じられないのが難点ではあります。それでも、秘密を知った主人公をダチンコも家族も信じられねえ絶望的な状況に追い込んでいく手管が巧みで、終盤の逃走劇も(お約束にならず)緊張感を持って読むことができました。ラストのカットバックなど如何にも映画向き…と思ったら、既に存在してますた。