『滅びの笛』 西村寿行

滅びの笛 (広済堂ブルーブックス)
★★★☆☆
クマ笹の一斉開花により鼠が大量発生。自然を蹂躙する人間どもに狂気の奔流となって襲い掛かる!薬品散布も自衛隊による火炎放射攻撃も20億匹に及ぶネズ公の群れには微々たるもので、人間どもは誰も彼も抵抗むなしく食い殺される一方的な展開。オマケに伝染病が発生。自暴自棄となった男衆は集団で民家を襲い、人妻を集団レイプ。ときはまさにせいきまつ…って遣り過ぎじゃ。
混乱を極める中、気を吐くのが鼠キチガイの右川博士と、ダーティハリーばりのスーパーコップと化した片倉警視。一度は死んだと思われた二人が再会する場面は、血と臓物と糞尿に満ちた物語の中で一際輝く美しい瞬間です。あっちゃこっちゃへフラフラしているだけの主人公は要らないから、もっと彼らに焦点を!と思いましたことよ。