『皇国の守護者』#1〜9 佐藤大輔

皇国の守護者〈9〉皇旗はためくもとで (C・NOVELSファンタジア)
★★★★☆
漫画5巻のラストはいわゆる「男坂をのぼりつづけるぜ!」なのですが、投げっぱなしジャーマンには見えない、むしろ堂々たる幕引きにさえ感じられます。しかしもっと末永く楽しみたかった、続きが気になるのが人情というもの。それじゃー原作も読んじゃうか!というワケで読みました。小説1〜9巻まで。
以下、ネタバレ。

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新年

あけましたおめでとうございます。大晦日は友人宅にお邪魔して、DynamiteやハッスルのTV中継を見ておりました。1/4は東京ドームで永田さんの顔芸を満喫しておりました。去年と何も変わっておりません。今年は違うぜ…ビッグでトゥモロウなサクセスして、やつらの足元にビッグマネー叩きつけてやるんだ…ヴァー!

『ただ、君を愛してる』

ただ、君を愛してる 天国の森の恋物語 [DVD]
★★★☆☆
諸君らが愛してくれた宮崎あおいは死んだ!では今となってこのような映画を見ることに何の意味があるのだろうか?意味なんてない…敗北主義者と言われてもいい…見たかった…ただそれだけ…うぐぅ
以下、ネタバレ。

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『CASSHERN』

CASSHERN [DVD]
★★★☆☆
キャシャーンキチガイの友人から借りたDVD(豪華三枚組BOXセット)にて鑑賞。事前に色々と毀誉褒貶リヒトホーフェン聞いた上で見たせいもあると思うのですが、そんなに悪い映画、ダメな映画とは思わなかったですよ。『デビルマン』や『最終兵器彼女』辺りの沈没ムービーとは根本的に異なる作品と思います。
まずこの作り手はきちんと異世界を構築して映像で見せようという意思があります。そして言いたいことも言えないこんな世の中で、明確に訴えかけたいことがあり、それは受け手であるわたくしにもビンビンに伝わってきます。浅野忠信がガスマスク被っただけで「レミング病が蔓延する近未来のニッポン」とか謳ってしまう、曰くありげでその実なにもない空虚な映画に比べると、遙かに真っ当で誠実な姿勢だと思います。これ新海先生の映画に近いものがあります。つまり物語そのものや劇中の登場人物には寄り添えないが、作り手の遣りたいことはよく分かる。分かるぜええ。君と一緒に悪を討つ!という気分になる。まー内容がキモい分、シンクロ率で言えば新海先生の方が圧倒的に上なんですが。

『グミ・チョコレート・パイン』

グミ・チョコレート・パイン グミ編 (角川文庫)
★★★★☆
その昔、大橋賢三はリビドーと自意識をパンパンに膨らませた少年だった。学校では存在感の薄い、透明人間として扱われながらも、内心では「オレは特別な人間なんだ!選ばれしサイオニクス戦士なんだ!いつかそれを証明してやる!」と固く誓っていた。しかし月日は流れ、オッサンと呼ばれる年齢になった今、賢三は何を成し遂げたわけでもなく、益体もないさらりまんになっていた。挙句に転勤先をクビになり、実家へ戻ってきた。そんな彼にかつて憧れだったクラスメイト、山口美甘子からの手紙が届くのだが…。
高校時代、文芸坐で出会った賢三と美甘子は『トップガン』や赤川次郎に興じる級友たちを馬鹿にして、カーペンターやブラッドベリの話題で意気投合します。*1なんとも痛々しくも微笑ましい場面です。しかしわたくしはこれを笑えません。たかだか趣味、嗜好程度で「おどれらとわしは違うんじゃい」と吠え噛み付きたい。オッサンと呼ばれる年齢になった今も、その種の欲望は自分の内側に明確に存在するからです。例えば賢三が大学ノートに綴る「映画感想文集」と、お前さんのはてなダイアリーはどう違うのかと言われたら、まーぶっちゃけ変わりません。同じです。ああ同じですよ!(逆ギレ)
そんないい年こいて未だにティターンズ気分が抜け切らない人間には堪らなく恥ずかしく、また身に染みる映画です。小説に比べてギャグ二割増という感じで、深刻になりそうな展開は「笑い」によって回避されるのですが、本当に大切な箇所は逃げることなく映像化されています。踏み切り前での賢三と美甘子の会話など、物凄く野暮ったいしオセンチなのですが、いやだからこそわたくし目から汗が出ましたわ。

*1:この種の「同好の士がいない恍惚と不安」って現代では希薄なんでしょうか。本当にハードコアな性癖ならともかく、ちょっとマニアックな映画や作家のファンなんて、今やインターネットがあればゴロリゴロリと見つかるわけで。だから今時のナウでヤングなビートキッズがこれ見ても痒くも痛くもなくむしろ中二病呼ばわりして終わりなのかしら。あーそもそも若い人は見ないから気にしなくていいですか。そうですか。

『撃墜王アフリカの星』

撃墜王アフリカの星 [DVD]
★★★☆☆
アフリカ戦線で活躍したエースパイロット、ハンス・ヨアヒム・マルセイユ。彼の生涯を描いた1957年製作のドイツ映画。
空を飛ぶことに何よりの喜びを感じていた無邪気な青年が、若年兵や旧友との死別を体験し、次第に戦況が悪化するにつれ陰影を濃くしていく。やがて訪れる無常な最期。悲しいけれどこれ戦争なのよね、という教科書的内容でお話としては今一つ面白味に欠けるように思います。では何故これが「幻の逸品」として語られているかと言うと、ひとえに実機のメッサーシュミットが投入されているからでしょう。確かに離着陸の場面や基地上空を編隊が横切るカットなど、さしてミリオタでないわたくしでも興奮するものがあります。しかしこの映画は実機だけでなく特撮と資料映像のチャンポンで構成されています。まー迫力という意味では当然のことながら資料映像の方が上回るわけです。こうなると折角の実機も有難味が薄れてしまいます。当時の映画としては致し方ないとは思うのですが、現代の僕チャンチンの正直な感想であります。んあー。