『殺人症候群』 リチャード・ニーリィ

★★☆☆☆ 引っ込み思案で仕事も遊びも丸出ダメ男なランバート。社交的で弁舌爽やかなチャールズ。ランバートは対極の存在であるチャールズに惹かれ、次第に彼を敬い崇めるまでになってゆく。だがチャールズは内に女性に対する苛烈な暴力衝動を秘めていた…。 以…

『グミ・チョコレート・パイン パイン編』 大槻ケンヂ

★★★☆☆ 勉強も運動も出来ない、学校では居場所がない、それでも「オレには奴等とは違う"何か"があるハズだ。いつかそれを証明しちゃる」とルサンチマンの塊な高校生、大橋賢三。彼は同じ鬱屈を抱える友人たちと「すげーハードなノイズバンド」の結成を決意す…

『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』 今野緒雪

★★☆☆☆ 「イタリアへ修学旅行」という題目で、本当にノンビリ観光するだけの回。事件も波乱もなーんもなし。美術館行ってゴンドラ乗ってわーきゃー言うてるのみ。別にこの世界に刃傷沙汰や怒涛の急展開は望みませんが。せめてもう少し人間関係の変化やハッテ…

『老人と犬』 ジャック・ケッチャム

★★★★☆ 愛する犬ちゃんをガキンチョどもに殺され、老人は独り復讐に立ち上がる。悪党どもに裁きを!「法律の出番はここまでだ。ここからは俺の出番だ」 チャールズ・ブロンソン主演、デス・ウィッシュ・シリーズ第六弾(半分ぐらい嘘) おやじが若僧に教育指…

『ロード・キル』 ジャック・ケッチャム

★★★☆☆ 拳銃片手にドライブどらいぶ♪道行く人を気の赴くままにパンパンと撃ち殺す、題名通り血煙街道なお話。 以下、ネタバレ。

『オフシーズン』 ジャック・ケッチャム

★★★★☆ 避暑地を訪れた男女6人恋物語に食人族が襲い掛かる。吹き荒れる暴力の嵐。力と技の風車が回る!切断・解体・火炙り!ヴァー! 以下、ネタバレ。

『フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人』 佐藤友哉

★★☆☆☆ 以下、ネタバレ。

『永遠の森 博物館惑星』 菅浩江

★★★☆☆ 一話完結で毎回キッチリと科学的な伏線が回収され、SFとして小説として良く出来ているのは確かなのですが、基本的に性善説でオチるので、次第に危機が提示されても「またちょっぴりいい話で丸く収まるんだろうな…」と*1鷹揚に構えてしまいます。『ガン…

『鋼』 ダン・シモンズ

★★★★☆ SFやホラーの書き手としてのイメージが強いシモンズですが、これはアクション小説。私立探偵がマフィア・グループの元から失踪した会計士の身柄を追う…と筋立てに目新しさは欠片もないのですが、とにかく矢継ぎ早な展開、アクション(と言うよりはバイ…

『ファーザーランド』 ロバート・ハリス

★★★★☆ 以下、ネタバレ。

『マリア様がみてる レイニーブルー』 今野緒雪

★★★☆☆ 評判になるだけあって、この10巻は確かに面白かったです。時間軸を少しずつズラしながら三組の姉妹の危機が綴られ、メインとなる祥子×祐巳のカップルには破局の危機が訪れる。どうするどうなる以下次号! 以下、ネタバレ。

『サイレント・スクリーン』 リチャード・ノース・パタースン

★★☆☆☆ 脇筋は法廷モノとしてさすがの出来なのに、本筋の誘拐騒動に戻ると途端に三流のスリラーに堕してしまいます。どうもパタースンは『罪の段階』以前の作品は習作と見た方がいいのかもしんまい…。 参考 wad's Book Review

『マルドゥック・スクランブル The First Compression―圧縮』 冲方丁

★★★☆☆ 既視感バリバリな未来描写に乗り切れずに読んでいたものの、溜めに溜めたラストの凄絶な立ち回り。ジョン・ウー映画を想起する相対距離ゼロでの対峙、あるいは二丁拳銃によるガン=カタ・アクション。中学生心をいたく刺激されますよこれには。 GONZO…

『九十九十九』 舞城王太郎

★★★☆☆ トリビュートとは名ばかりの、「お前らが信奉してるのはこれぐらい無意味なものなんやで」という悪意に満ちた書。ものごっつスケールがデカくて、そのくせ全く無意味な見立て殺人が連発されたり、突拍子もない推理で事件が解決されて、しかもその推理…

『あなたは虚人と星に舞う』 上遠野浩平

★★☆☆☆ 以下、ネタバレ。

『ペピの体験』(作者不詳)

★★★☆☆ 「たいへんハードコアなロリコン小説なんですよお客さん」と言われトキメキ胸を高鳴らせ読んでみたらこれ完全にポルノ小説*1じゃないですか。本編409ページのほとんどでフェールゲンしておりますよ。いやそれはそれで大歓迎なんですが。お坊さんが「わ…

『ラスコの死角』 リチャード・ノース・パタースン

★★☆☆☆ 以下、ネタバレ。

『あなたの人生の物語』 テッド・チャン

★★★☆☆ 短編集。超越者同士の戦いがほとんど『童夢』みたいなサイキック戦争と化し遣りすぎ感漂う『理解』や、天使降臨による奇跡の皮肉さから信仰の意味を問い掛ける『地獄とは神の不在なり』など、どれもアイデアは抜群に面白いのに、毎度の如く大まじめな…

『マリア様がみてる』 今野緒雪

★★☆☆☆ 閉鎖的なお嬢様女子高で同性同士のインモラルな関係が綴られる、いけいない淫靡テーションでトレびあーんなお話かと想像していたら全然そんなことはなく。むしろ健全で、ゴージャスと言うよりも庶民的な学園モノなのですね。しかし、謎を提示しておい…

『ピニェルの振り子』 野尻抱介

★★★☆☆ 『未来少年コナン』みたいな無鉄砲な少年の冒険譚が、終盤に至って惑星規模の環境改変ものへと跳躍。SFならではの興奮を感じますが、一方で情景描写は恐ろしく淡白で心情描写は皆無に等しく、「それもまたSF」とは言え、古いタイプの人間としては「も…

『ケアリ家の黒い遺産』 リチャード・ノース・パタースン

★★☆☆☆ 以下、ネタバレ。

『しあわせの理由』 グレッグ・イーガン

★★★☆☆ 短編集。個人的に気に入ったのは、エイズは神が"不実"な人々に与える裁きだと考える狂信的原理主義者が、より「効率的」なウイルスの作成に血道をあげる『道徳的ウイルス学者』(オチが抜群に下らないです)、何の変哲もない聖像が莫大な金額で競り落…

『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン

★★☆☆☆ 以下、ネタバレ。