2004-01-01から1年間の記事一覧

『座頭市』

★★★☆☆ 以下、ネタバレ。

『世界は密室でできている。』 舞城王太郎

★★★☆☆ きっと血みどろ残虐バイオレンスや口ポカーンなメタメタ落ちがあるんやろう、酷い目に遭うんやぞ!と身構えて読んだのですが。意外や意外、オトコノコ・オンナノコが悩んでブツかって大きくなる真っ当な(人はバリバリ死ぬのですが)成長物語に仕上が…

『海の天辺』#1〜4 くらもちふさこ

★★★☆☆ 中学生の女の子が理科の教師にスキスキスー、アタックあたっくアタタックを繰り返すお話。 以下、ネタバレ。

『高い城の男』 フィリップ・K・ディック

★★★☆☆ 第二次大戦で枢軸国側が勝利し、日本とナチス・ドイツが覇を競う「もしも」の世界。敗戦国のアメリカ人の皆さんが内心は忸怩たるものを抱えながらも、戦勝国の日本人にヘーコラと媚びへつらう描写はたいへん悦楽至極で、いいぞもっとやれと思います。…

『ハチミツとクローバー』#6 羽海野チカ

★★★★☆ クールなプレイボーイ(死語)のイメージだった野宮が急速に気遣いや人情味を見せ始め、これはもう言うまでもなく山田さんとくっつけるための布石、と頭では理解しながらも心は受け入れ難く、「うわーそんなカップリングは嫌だー山田さんはもっと素敵…

『総統の子ら』 皆川博子

★★★☆☆ ナチス・ドイツの最高エリート養成機関、ナポラ。祖国への愛と理想に燃え、此処に集った少年たちの物語。厳しくも充実した訓練生活の中、芽生える対立、友情、そして同性同士の秘め事…。叙情的な雰囲気は開戦から一転、凄惨な戦闘描写がこれでもかと続…

『Kiss+πr2』 くらもちふさこ

★★★☆☆ 突然に転がり込んできた幸運による人間関係の変化、ささやかな交感、すれ違い―地味だけれど繊細で丁寧な筆致。ただ、気になったのがファミコン好きな眼鏡のオタク君に対する扱い。主人公は彼を「いいやつ」と呼ぶのですが、それは好感ではなく、「人畜…

『デイ・アフター・トゥモロー』

★★☆☆☆ だからあれほどヤメようって言ったのに…。 以下、ネタバレ。

『ホットロード』#1〜2 紡木たく

★★☆☆☆ あたし和希、14歳。気に入らないもの、家族とか学校とか。ハルヤマ?あいつは"Nights"って暴走族の頭。すっげー性格悪くて、カチンと来ることばっか言ってきて。でも凄く寂しそうな顔をする時があって。目を離すと、どっか遠くへ行っちゃうんじゃない…

『戦略拠点32098 楽園』 長谷敏司

★★☆☆☆ SFマガジンに掲載された短編『地には豊穣』がたいへん素晴らしく、デビュー作はどうなんだろうと期待を胸に手に取ってみたのですが。過度に感傷的で、何より地の文で登場人物の心情を語り過ぎな気がいたします。「戦うことしか知らない兵士とアルジャ…

『ルー・サンクション』 トレヴェニアン

★★★☆☆ 登山家にして大学教授、天才的美術鑑定家ジョナサン・ヘムロックが活躍するシリーズ二作目。困難を極める登頂、しかも信頼すべきチームの中に抹殺すべきスパイがいる…ハードな状況設定からして手に汗握った一作目『アイガー・サンクション』に比べると…

『天使なんかじゃない―完全版』#1〜3 矢沢あい

★★★★☆ 矢沢あい先生と言うと、もっとアッパー・コジャレ系のイメージを持っていたのですが、これバリバリに乙女チックな内容でビックリ。ちょっぴり突っ張っていて、でも雨の日に仔猫を拾ったり、実は繊細で優しいアイツにドッキンコ。恋愛だけじゃない、イ…

『クリスマス・テロル―invisible×inventor』 佐藤友哉

★★☆☆☆ 以下、ネタバレ(なのか?) ボックンを無視するな!動くな、死ね、甦れ!というお話。しかしこれは「書くことの孤独と不安」などと言う大層なことではなく、「テキスト系サイトの管理人がアクセス数の少なさに逆ギレして閉鎖宣言」程度のものではない…

『クリプトノミコン』#1〜4 ニール・スティーヴンスン

★★★☆☆ SFとも歴史ミステリとも冒険小説ともつかぬ、何でもアリの闇鍋ごった煮ジャンク・フィクション。無闇やたらと詰め込まれた蘊蓄、小ネタ、ギャグ、バカ話がとにかく楽しくて。例えば暗号解読の精度と射精回数の関係を数式やらグラフを用いて延々と大マ…

『ビッグ・フィッシュ』

★★★★☆ 以下、ネタバレ。

『正しい恋愛のススメ』#1〜5 一条ゆかり

★★★☆☆ 勉強も運動もそれなりに。ルックスだって平均以上、恋人もいる。でも何処か退屈で物足りない。そんな毎日を送っていた高校生、竹田博明は友人の誘いで出張ホストのバイトを始める。やがて知り合った年上の豪奢な美人に惹かれ、仕事の領分を忘れ夢中に…

『秘曲笑傲江湖』#1 金庸

★★★★☆ 金庸の作品を読むのは初めてなのですが、滅法面白く「何故これまで手に取らなかったのか」と後悔する程に。英雄・豪傑・美少女がわんさか登場し、どいつもこいつも(美少女を含めて)超人的な体術の使い手。秘孔を突いて動きを止め、椅子に座ったまま…

ハッスル3@横浜アリーナ

行ってきました。序盤はそれ程悪くなかったのですが、メインの試合がズバ抜けてショッパいのは正直ビビったし、たじろぎました。しかもその内容が客をイジり、笑い声の絶えないジャリレス。これ前座としてはOKでも興行の締めとしてはNGではないでしょうか。…

『追悼のざわめき』

★☆☆☆☆ 近親相姦、幼女暴行、屍食…一般に禁忌とされるものを殊更グロテスクに、生々しく描くこと(だけ)で観客を揺り動かそうと企てる製作者にドロップキック。あるいは地団駄ラリアット。 斯様な「意図された」カルト映画に意味があるとすれば、「稀少価値…

『Far Cry』

ドイツ産のFPS。このゲームの特徴は、行動範囲の広さと自由度の高さにあります。例えば山を背にした敵基地があり、これを殲滅せよというミッション。正面から突撃しては敵に察知され、アッという間にやられてしまう。ではどうすれば良いのか?敵基地をぐるり…

『殺人症候群』 リチャード・ニーリィ

★★☆☆☆ 引っ込み思案で仕事も遊びも丸出ダメ男なランバート。社交的で弁舌爽やかなチャールズ。ランバートは対極の存在であるチャールズに惹かれ、次第に彼を敬い崇めるまでになってゆく。だがチャールズは内に女性に対する苛烈な暴力衝動を秘めていた…。 以…

『グミ・チョコレート・パイン パイン編』 大槻ケンヂ

★★★☆☆ 勉強も運動も出来ない、学校では居場所がない、それでも「オレには奴等とは違う"何か"があるハズだ。いつかそれを証明しちゃる」とルサンチマンの塊な高校生、大橋賢三。彼は同じ鬱屈を抱える友人たちと「すげーハードなノイズバンド」の結成を決意す…

『ハチミツとクローバー』#1〜5 羽海野チカ

★★★★☆ 美大生男女5人の可笑しく時に切ない青春模様。「切ない」を一手に引き受けるのが山田さん。酒屋の娘でカカト落しが必殺技で、茶髪代官山メガネ君(男キャラの名前など知りませぬ)のことが好きで、けれども彼には年上の憧れの人がいて、報われぬ想いと…

『レスリング・ウィズ・シャドウズ』

★★★★☆ ブレット・ハートのWWF(現WWE)からWCWへの移籍に関するドキュメンタリー。 以下、ネタバレ。

『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』 今野緒雪

★★☆☆☆ 「イタリアへ修学旅行」という題目で、本当にノンビリ観光するだけの回。事件も波乱もなーんもなし。美術館行ってゴンドラ乗ってわーきゃー言うてるのみ。別にこの世界に刃傷沙汰や怒涛の急展開は望みませんが。せめてもう少し人間関係の変化やハッテ…

『ラヴァーズ・キス』

★★☆☆☆ 漫画だからこそ許される気障たらしい台詞というものがあって、それをまんま再現するには役者の皆さんの演技力が余りに不足しているのではないでしょうか。いやもう、たいへん恥ずかしい。見てるこちらが赤面ですよ! もうちょっとがんばりましょう:平…

『老人と犬』 ジャック・ケッチャム

★★★★☆ 愛する犬ちゃんをガキンチョどもに殺され、老人は独り復讐に立ち上がる。悪党どもに裁きを!「法律の出番はここまでだ。ここからは俺の出番だ」 チャールズ・ブロンソン主演、デス・ウィッシュ・シリーズ第六弾(半分ぐらい嘘) おやじが若僧に教育指…

『ママレード・ボーイ』#1〜8 吉住渉

★★★☆☆ 突然の夫婦交換宣言により元パパ・ママと新パパ・ママが同居することに。ぶっちゃけありえない!でも新パパ・ママの息子は凛々しくて笑顔が素敵なハンサム君。彼と一つ屋根の下で暮らすなんてドッキドキ。おまけに昔好きだったテニス部のイケメン君と…

『ロード・キル』 ジャック・ケッチャム

★★★☆☆ 拳銃片手にドライブどらいぶ♪道行く人を気の赴くままにパンパンと撃ち殺す、題名通り血煙街道なお話。 以下、ネタバレ。

『ラヴァーズ・キス』#1〜2 吉田秋生

★★★★☆ メインのふたり以外は全員が同性に恋愛感情を持っていて。当初は遠景として存在していた彼・彼女達の想いが、次第に明らかになってゆく構成の妙。最初のカプールの恋バナなど鼻クソほじりながら読んでいたのですが、途中からすっかり夢中になって、最…